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ラストナイト・イン・ソーホーのnewのレビュー・感想・評価

4.2
ファッションデザイナー志望のエロイーズは、ロンドンのソーホーにあるデザイン専門学校に入学するが、寮生活に向かず一人暮らしをすることに。新しいアパートで暮らし始めた彼女は、1960年代のソーホーにいる夢を見る。エロイーズは夢の中で、歌手を夢見るサンディと出会い、肉体的にも感覚的にも彼女と次第にシンクロしていく。

「ショーンオブデッド」「ベイビードライバー」のエドガー・ライト最新作。
これまで、コメディやアクション映画を撮ってきた監督の初のホラー作品。
いやー、めちゃくちゃ面白かった!
現代と60年代のロンドンが交差して生まれる物語。ホラー作品でありながら、恐怖演出よりも、事件の謎を追い求めるミステリーの要素もかなり強い。
60年代ロンドンのきらびやかな雰囲気とその裏で渦巻く欲望と怨念の数々。この裏表のコントラストが、作中で度々用いられていたネオンの光のように物語に魅惑的な雰囲気を生み出していた。
今だから描ける過去の性搾取の実態、そして現代にも表面下に根付くその思想。それらの要素が生み出した悲劇と恐怖を描くことで、現代的なホラー作品として見事に作り上げられていた。このテーマに対して、トーマシー・マッケンジーとアニャ・テイラージョイと言う美女二人の起用も非常に良い効果を与えていた。見られる恐怖を描くに際して、見させる力を持つ彼女達を敢えてセクシャリティに描写する事で、観客は身を持って物語とシンクロする事が出来る。終盤に物語の真相が明らかになった時、身を持ってその恐怖を体感する事となる。
「ベイビードライバー」よろしく、音楽と物語の調和も見事の一言。60年代ミュージックとともに、誰もが視覚的にも聴覚的にも楽しめるエンタメ作品にもなっているので、エドガーライト風の艶美な恐怖の世界にのめり込めること間違い無し。
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