ゆず

ラストナイト・イン・ソーホーのゆずのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

映画の感想は人それぞれだと思ってきたけど、明らかに間違っている受け止め方というものはやはり間違いなんだと最近思う。

ある人が本作について「トーマシン・マッケンジーは可愛くておっぱいも大きくていいですね〜」と書いていて、あまりにガッカリしたのでフォローを外した。
この映画を見て、よく言えるよな!?…と思う。
主人公が序盤でタクシー運転手に「キレイな脚だな」といやらしい目で見られて、タクシー降りて近くの店に逃げるように入ったシーンを、皆さんも見たよね…?あの嫌な中年オヤジと同じことを言ってるってことに気が付かないんだろうか?

本作は明らかに性的搾取される女性をテーマにした映画で、その点を無視して語れない。そんな映画で女性俳優の胸が大きいだのエロいだの、観客の視点からさらに性的搾取をしてしまってはいけない。
というか、むしろ本作は女性俳優の性的魅力が観客に対しての罠として機能していて、彼女らを可愛い・美しいと思うほど、観客は劇中のスケベオヤジどもと同類になってしまうのだ。
2021年に公開された「プロミシング・ヤング・ウーマン」「最後の決闘裁判」そして本作「ラストナイト・イン・ソーホー」は、いずれもレイプ被害を描き、性的な目で見られ続ける女性のつらさを表現すると同時に、観客に「さて、あなたはどうなの?知らず加害側になってるのでは?」と突き付けてくる内容だった。勝手に三部作ぐらいに思っている。

だから、見事にその罠にハマって、尚それに気付かない人を見てガッカリしたのだ。とても同じ映画の感想に思えなかった。
…と書くと、まるで私がちゃんと理解している偉い奴みたいだが、私も3年前のレビューとか読み返すと全然分かってなかったりする。当時は面白おかしく書いたつもりが、とてもイタイ文章になってたりする。
そういうのはセクハラになりうるので、見つけ次第もう消すなり書き直すなりしていこうと思ってる。
ゆず

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