「ホット・ファズ」「ベイビー・ドライバー」で知られるエドガー・ライト監督が描き出すロンドンを舞台にしたホラー・サスペンス
エドガー・ライトの作品はどれもが好きなので期待感を抱きながらの鑑賞
やはり演出力の手腕は見事なので最後まで退屈感なく観ることができたものの、過去作に比べると特別性を感じることはなかった
というのも、ロンドンを舞台に霊能力を持つ少女が過去の出来事を明晰夢によって追体験していく中で暗部に触れていくというプロットは興味深いが、鑑賞前の期待を上回る様な展開はなく、やや肩透かしを喰らってしまったからだ
女性が社会生活で受ける性的搾取を脚本に取り入れ、それをホラーとして見せているのは良いのだが、個人的には最近観た「プロミシング・ヤング・ウーマン」の方が似た題材を上手くエンターテイメントとして昇華させていたのに比べると、今作はやや見劣りしてしまった
なので、脚本に対しては強く惹かれなかったのだが、演出力、街のセット等のデザイン、役者陣に関しては素晴らしく、スクリーン面での満足度は非常に高い
1960年代を再現したロンドンの煌びやかさ、カット割のテンポ感、効果的に使用されるプラクティカルライト(青と赤)、そしてアニャ・テイラー=ジョイの妖艶な演技は文句無し
つらつらと小煩い文句を述べはしたが、彼女のファンの方は必見の作品