主題歌とボンドガールの美しさがギリシャの海に映える地に足着いた作品
前作ムーンレイカーでは地球規模で移動し、ついに宇宙へも敵を追い詰めにいってしまったボンド。本作では一転、ヨーロッパ内で任務を遂行。またオモシロ小道具にもそれほど頼らず、肉体と知恵を駆使してATAC奪回を目指します。
なんといっても両親の復讐に燃える、メリナが美しい！この透明感が映画の雰囲気を品のあるものへとしています。
ロジャームーアも監督＆路線変更の中、緊張感のある映画の流れの中にもユーモアのエッセンスが効いた演技が心地よいバランスです。
…ですが、何度も映画を見てるとどーしても気になってしまう、ロジャーボンドの「おとうさんの休日クラブ」感。私は決して悪くは思いません。現にお父さん世代のロマンを体現しているのでは？黒髪の美女を助け、娘みたいな（？）キュートな女の子に言い寄られ(笑)崖から悪党を蹴落とし、秘密基地を攻略し、東側の手から国家機密を守る週末… ギリシャの街を歩くメリナとボンドは一瞬フルムーンカップル向けの旅番組に見えましたし、階段を上がるボンドはちょっと息が上がってて「おとうさん、しっかり！頑張って！」と応援してました。しかし、せっかく現実路線のスパイものに戻したならもっとスマートでなくっちゃと思う人には減点対象かも。
個人的には、「ダンディ2」のシンクレア卿の10年後の冒険を見ているようでほほえましかったですが。
それでもエンディングの美しさと、オウムのマックスの名演技！で何度みてもすがすがしい気持ちになれるボンド映画です。
鑑賞中に飲みたい：バイオレットフィズ（OPの色あいから）、ウゾ（ボンドも飲んでたし）つまみはピスタチオで！
