てる

アザーズのてるのレビュー・感想・評価

アザーズ(2001年製作の映画)
3.7

ゴシックホラーというらしい。城や邸宅などを舞台にした、ドラキュラや幽霊が登場する超自然的なホラーをそうジャンル分けするらしい。

海外の作品には少ないしっかりしたオカルトホラーだと思ったが、やはり少し、捻りがあった。
でも、ポルターガイストや起こるはずのない足音、子どもが幽霊と話しているなど、定番のオカルトもあって、私としてはそこそこ楽しめた作品だった。

オカルト好きとしてはわかりやすい作品だ。勘のいい人であれば、すぐに見抜けてしまうのかもしれない。しかし、私としてはこれくらいわかりやすい方が丁度いい。おばけを退治して大団円で終わるよりも、こういった趣旨のどんでん返しがあった方が、ホラー作品としては面白い。
いかにも『世にも奇妙な物語』でありそうな、後味の悪いエンディングであった。しかし、嫌悪するといった風でもなく、丁度いい終わり方だった。

最近観た中では『箪笥』が近いジャンルだ。あと、『シックスセンス』
実は幽霊だったという引っかけは王道になってしまったが、やはり面白い趣向だと思う。

今回の作品は最所から最後までその最後のどんでん返しのための付箋だった。その付箋がまた良かった。鈍い私としては、巧妙に隠したその付箋が最後に明かされるときに、思わず感嘆の声を漏らしてしまった。
ただ、負けず嫌いを発揮して、『まあ、わかってたけどね』と言いたくなる自分もいるのだけど。
見終わってしまうと、なんともわかりやすかったなぁと思う。だけど、観ているときは、怖がりを発揮して、思考をシャットアウトしていた。
なるほど、そういう付箋だったのかと納得する。

それにしても、あのメイドの三人が良い味を出していた。従順であるように見えるが、何か重大なことを隠していて、絶妙な怪しさを醸し出している。この作品のアクセントになっている。
彼女らがいなければ、ただの驚かせゴシックホラーになっていたところだ。彼女らのおかげで、常に不穏な雰囲気を保ち、サスペンス的な要素が含まれ、飽きない作品になっている。

1度観てしまうとネタバレしてしまい、さほど怖くなくなってしまうが、ホラー好きの友人には気兼ねなくオススメできる作品だ。
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