このレビューはネタバレを含みます
エジプトの神秘と名探偵の組み合わせの何と良いものか。
前作オリエント急行は、豪華な列車旅とそこで起こるミステリーの見事な映像化に、何度も色々な媒体でみてきた作品ながら楽しく鑑賞することが出来、所々の改変も、新生名探偵ポアロの方向性というものを感じられて好ましく観ていた。
そこで期待しての本作、相変わらず景観は美しく、スマートなポアロもこれはこれで今までのポアロ像と違って良い。その辺は満足することが出来た。
問題は改変。結構別物になっており、何というかとても違和感を感じてしまった。というのも、愛がテーマというのは分かるのだが、ちょっとドロドロさせ過ぎでは……と思ってしまった。そもそも、登場人物の改変も必要があるのか疑問な改変が多く、ブーク続投も前作との繋がりを出すためなのかもしれないが、正直個人的には微妙。相棒としてレイス大佐を出して欲しかったというのもあるが……。個人的に結末は原作が一番好きで、今回のジャッキーとサイモンの感じは少し違和感を感じてしまった。
とはいえ、全体的にエジプトという地の神秘性や、愛の持つ魔力、名探偵の見せ場等が堪能できたので良かった。またシリーズを続けるのであれば期待したい。
