桃子

ナイル殺人事件の桃子のレビュー・感想・評価

ナイル殺人事件(2022年製作の映画)
4.4
「有名どころ少な目?」

天才的な推理能力を持つ私立探偵が活躍するミステリー小説が大好きで、小学生の頃からよく読んでいた。でもなぜかアガサ・クリスティーはあまり出番がなく、エラリー・クイーンとヴァン・ダインばかり。特にヴァン・ダインの長編に登場するファイロ・ヴァンスの大ファンである。何編か映画化されているのだけれど、今ではほとんど見ることができないのが残念だ。
この「ナイル殺人事件」も原作を読んだことはないし、1978年版の映画も見たことはない(正確には冒頭だけ見てやめてしまった。今思えば、ちゃんと最後まで見ておけばよかったと後悔しきりである)。例によって予告編も見ていないので、まっさらな状態で鑑賞することができた。
もしかしたらかなり原作に忠実なのではないだろうか?私の勝手な想像だけど。冒頭のポアロの若かりし頃のエピソードと最後の酒場のシーンは必要だったの?と思ったけれど、監督さんのこだわりで入れたのではないかなあ。これも勝手な想像だけど。
監督兼主役をしているケネス・ブラナーは個性的な人に思える。好き嫌いも分かれるだろう。私は特別好きでもないが、大嫌いでもない。お芝居に対する情熱を感じるし、真摯な感じもいい。
ミステリーについては、毎度のことである。途中でアヤシイなあとは思いながらも、やっぱり最後まで真犯人はわからなかった。すんなり騙されることもまた快感!
なにより、大好きなエジプトが舞台になっているのが良かった。ピラミッドもアブシンベル宮殿もナイル川も出てくる。そして登場人物は全員セレブなので調度品や衣装も豪華だ。目の保養になるのも嬉しい。ラスト近くで、殺されてしまった人達が担架で船から運ばれていくシーンがあるのだが、真っ白い布できっちり覆われていて、まるでミイラのように見えるのが印象的だった。
今回は、あまり知っている俳優さんがいなかった。ケネス・ブラナーとアネット・ベニングくらいのものである。おまけに彼女は歳を経ていて見ている最中は誰だかわからなかった。一方、1978年版にはミア・ファローとかジェーン・バーキンとかデヴィッド・ニーヴンとかマギー・スミスなど有名な俳優さんたちが出演している。これはなんとしても1978年版をきっちり最後まで鑑賞しなくては!!
桃子

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