うーら

いつくしみふかきのうーらのレビュー・感想・評価

いつくしみふかき(2019年製作の映画)
4.0
2019年の「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」観客賞受賞、その他も多くの映画祭で高い評価を集めた作品。

友人が出演していて、今回のアンコール上映後の舞台挨拶にも出るというので観に行った。
舞台挨拶の司会進行は笠井信輔アナ。
笠井アナはこういう素晴らしい作品を伝えていきたいと自ら司会を申し出たと言っていた。

驚いたのはこの作品が実話だったこと。
こんなヘビーな人生想像できないし、育つ環境がいかに大事か考えてしまった。

W主演の一人、ひきこもりの進一役を演じたのは遠山雄さん。
なんとこの作品、遠山さんの友人のお父さんの話を基にしているそうで、遠山さんは実際のお葬式にも出席したそう。(ここでの弔辞が印象深く、今回の作品につながったとのこと)

もう一人の主役である父親役には渡辺いっけいさん。

見終わって愛すべき悪役に印象が変わったけど、見てる最中は本気で嫌いになっちゃいそうなほど最低最悪な父親役がハマっていて、すごい迫力だった。

冒頭のシーンが恐ろしくてこんな感じなのー?!とビクビクしたけど、クスッと笑えるシーンもたくさんあり、シリアスとコミカルのメリハリが効いた印象的な作品だった。

粗削りだけど、熱意がビシビシ伝わってきてすごく新鮮に感じた。




<あらすじ>
妻・加代子(平栗あつみ)が息子の進一を出産している最中、彼女の実家に盗みに入った広志(渡辺いっけい)は、叔父に見つかり銃を突きつけられる。
牧師の源一郎(金田明夫)に助けられた彼は、悪魔とみなされ村から追放される。
30年後、進一(遠山雄)は自立できない人になり、広志は人から金をだまし取って生きていた。ある日進一が空き巣の疑いを掛けられて源一郎がいる教会に逃げ込むと、金を借りにきた広志が現れる