教授

連合艦隊司令長官 山本五十六の教授のレビュー・感想・評価

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山本五十六が主人公のドラマとしては…「戦史」のダイジェストに終始してしまっている印象で、正直あまり面白くない。

冒頭の老獪さを表すシーンの無邪気さから一気に映画は失速してしまう。
「戦史」の描写にしても、比較的トントンと三国同盟締結、真珠湾攻撃、矢継ぎ早にミッドウェイと続くが、特撮シーンのみでの描写のみでドラマがなかったりする。
特に、開戦前の山本五十六の葛藤や苦悩にはある程度の描写を割くべきなのにもったいない。

戦局の悪化に際しても、三船敏郎演じる山本五十六が、基本的にブレない上に、ある意味で「完全無欠」過ぎるので、この点もドラマが動かない。

それなりの大作でもあり、特撮シーンもそれなりにあり…キャストも豪華と言えば豪華なのだが…意外に主要となるキャストが少なく、また大きな演技的見せ場に乏しいのもったいない。

それでも…実際は陸軍の「古参上等兵」という末端にいた三船敏郎が、連合艦隊司令長官という、旧日本軍のトップ中のトップを演じる心境というのを想像すると、感慨深い。
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