なつ

西ベイルートのなつのレビュー・感想・評価

西ベイルート(1998年製作の映画)
4.1
“判決、二つの希望”のドゥエイリー監督の長編デビュー作。
判決~では、涙を沢山流したけど、好みで言うと、これかなり好き。
1975年のレバノンが舞台。(1990年までレバノン内線が続く)
西ベイルート(ムスリム地区)に住む少年ターレクは、東ベイルート(キリスト教地区)の学校に通っている。
家庭は円満で平和に暮らしていたが、内戦が始まり、東西地区が遮断され……
ターレクは、やんちゃな明るさが印象的で、最初は非日常的な内戦に高揚してたんだけど…
彼が虚ろな表情になり、明るさを失っていく…。一緒に泣きそうになり、ラストシーンは、たまらなかった。
海外移住を希望する母親に、父親が『欧米諸国に避難してどうなる?テロリスト扱いされて、尊厳がないんだぞ』と言う。
この台詞がずしりときた。ムスリム家庭では同じような会話をしているんだろうなぁ。
重い感じのレビューになったけど、観やすい青春映画でした!
本作と無関係だけど、何かと話題のカルロスゴーンさん、レバノン人なんだね。
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