えーちゃん

ミッドサマーのえーちゃんのレビュー・感想・評価

ミッドサマー(2019年製作の映画)
5.0
鬱映画として有名な本作。
どんなグロテスクで鬱々とした物が観れるのか緊張しつつ鑑賞しましたが、自分は全く怖く無かったです。
まるで、ドキュメンタリーを観てるような不思議な感覚でした。
世界を探せば、本当にこう言う奇習がありそう。

恐怖より好奇心が勝ってしまい、今度はどんなイベントが起きるの!?と途中から前のめりで観ていました。
ぶっちゃけ、超面白かったです。

太陽が眩しくて自然豊か、妖精みたいな北欧美人が沢山出てくるし、常にお花がいっぱいで画が綺麗!なのに常時笑顔な村人の何と不気味な事よ…。
テレ東のハードボイルドグ●メリポートのカルト村回を彷彿とさせる居心地の悪さ。

大自然で本来なら癒される景色の筈なのに、奇妙な風習とのギャップが絶妙な不気味さを演出していて、気づけば夢中で観ていました。

鬱々と聞いていましたが、恐らく観る方の性別によって鬱度が違いそうですね。
個人的にはそこまで気落ちしなかったです。

悲しみも痛みも全て共有する、カルト村。
寧ろダニーには、あの村が合ってそうだな…と思いました。
精神的に参ってる時は、案外ああ言う環境の方が幸せを感じるのかもしれない…

主人公の行く末を思えば、不安しかないのに妙な開放感が清々しさすら覚える。
所謂〝メリーバッドエンド〟ではないでしょうか。

村の風習に仏教の輪廻転生に通じる物を感じて、そう言う考え方もアリかも…と思ってしまった。

因みにグロシーンもありましたが、正直作り物感が凄くてそこまでグロさは感じません。
死体は草花で装飾されていて、寧ろ一種の芸術性を感じました。