サラミ山カルパス

ミッドサマーのサラミ山カルパスのネタバレレビュー・内容・結末

ミッドサマー(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

アリ・アスター監督のティーチイン付きFilmarks試写会にて。
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とにかくヤ、バ、い。衝撃作。一刻も早く終わってほしい地獄みたいなことが永遠に観ていられる天国のような世界観で繰り広げられるもんだから、もう途中から脳が「ヒィーッ!ヒィーッ!」と苦痛&歓喜の悲鳴を上げていた。前作『ヘレディタリー』は家で観ていてもめちゃくちゃ怖いレベルの恐怖度だったけど、今作は(グロを除けば)誰でも観られるくらい恐怖度がかなり低くなっている代わりに、衝撃度が馬鹿みたいに跳ね上がっている。でも、それだけじゃないのがこの映画の凄いところ。前作にも見られたけど、キューブリック作品のような芸術性まで兼ね備えているのである。非常に中毒性が高い。監督にはホラーというジャンルを超えた「美しくヤバい映画」をただひたすらに撮り続けてほしいし、もう監督のクローンだけ特別に許可して月一で公開してほしいレベル。
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あと、あの世界観を0から作り上げた周りのスタッフたちも優秀すぎません?
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ちなみに、監督はピクサーの重鎮のような風貌でとても物腰が柔らかい方だった。質問したかったな〜。
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監督に秘密を教えてもらったし公開したら劇場で2回目を観ようと思ったけど、ディレクターズカット版の存在を知ってしまった。映画館の鑑賞料金と変わらないし、モザイクも地味に萎えたので急遽US版iTunesにて購入。ストーリーについてや詳しい感想は後日再鑑賞後に追記しますホォハァッ!!


・ディレクターズカット版を鑑賞した上での追記

率直な感想としては「まだまだ足りねえ足りねえ足りねえ!」です。新たなシーンがたくさん追加されているというよりは、オリジナル版にもあるシーンの一つ一つが長くなってキャラクター描写がさらに深くなっていて、特別エグさが増しているとかではない。未だに予告編にある人が浮かぶシーンがない!もっと長いバージョンもあるらしいので是非観たい。それにしても付き合っている年数を間違えたり、興味ないって言ってたのに急に興味深々になったり、嫌な関係性を描くのが上手い。

この映画において重要なのが「共有」だと思う。そもそも妹は自分に共有することなく家族もろとも道連れにしたし、クリスチャンもスウェーデン行きについて話してくれなかった。でもダニーはいざ相手が共有してくれるとなると気を遣ってか引いちゃうタイプでもある。そこでホルガの圧倒的共有度に最終的に飲み込まれてしまったように見えた。あのラスト、先日観た『七人の侍』にも三角形の建物が全焼するシーンがあって「うわ!めっちゃミッドサマー!」ってなった。本当に解放感があってスッキリする。

ダニーとクリスチャンが軽い言い合いみたいになるシーン、クリスチャンを鏡に移すことでカメラを移動させる必要がないの上手いなと思った。何かのオマージュ?

ダンス大会はシャトルランを思い出した。

多種多様な死に方が『犬神家の一族』を彷彿とさせる。

陰毛パイと経血ジュース…

ちなみにスウェーデンの国旗カラー🇸🇪の青と黄が死の色だそう。
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