ペイン

ミッドサマーのペインのレビュー・感想・評価

ミッドサマー(2019年製作の映画)
1.5
今年ワースト候補。控え目に言って。

ここ数年で最高の映画(「ヘレディタリー継承」)を撮った鬼才監督は、ここ数年で最低の映画(「ミッドサマー」)も容易く撮れてしまうのかと驚いた。

わかりやすい例えで言うと悪い方の園子温作品(「リアル鬼ごっこ」とか)や、悪い方の大林宣彦作品を観ているような感覚。こういった“鬼才監督”の作品は当たり外れが激しくなってしまうのは致し方ないことだけれど…それにしても一部を除いて批評家からの評価も世評も高かっただけにガッカリ。

とにかく尺が長いのは言うまでもなく、前フリが無駄に多いくせにカタルシスのあるシーンもなく、ダラダラとどうでもいいシーンを牧歌的なトーンで見せ続けられる。アーティスティックな画面構成は本作でも健在だったが、“エンタメホラー”としても絶妙なバランスで成立させていて抜群の吸引力があった前作に比べると雲泥の差。

本作はB級ゲテモノ映画に成り下がってしまったが、私がアリ・アスター監督のファンであることは間違いないし、今後も愛を持って彼の作品を観たいと思う。あと「ベニスに死す」の美少年がすごい爺さんになっててビックリ👀
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