ひーちゃん

ミッドサマーのひーちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

ミッドサマー(2019年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます


アリ・アスター監督が描く!痛快失恋コメディ!『そんな彼なら焼いちゃえば?』

邦題をつけるならこうでしょうか。
ダニーにというか失恋した監督の女々しさに共感して、まんまとカタルシスを感じちゃったわけです。

予告を見る限りもっとショッキングな展開が待ってるのかなと思いきや、ストーリーはわりとベタ。展開も読めるので思いの外穏やかに鑑賞できました。ちょっと肩透かし感はあったかも。

カップルが見たら別れるって言うけど、確かに恋人に不満を持った人がこの作品を観たら別れの決心がつきそう。

最近よく「自分を大切にしない人とは縁を切って、好きな人たちとだけ一緒にいよ〜」みたいなことを聞くのですがまさにそれ。
自分を不安にする人間も感情も全部焼き払って、魂を救済せよ!そりゃダニーもにんまりしちゃうよね〜!共感は人の心に寄り添い、侵略するのですねえ。ダニーがコミューンで平和に暮らしたのかというと、それはまた別のお話になりそうですけども。歴代メイクイーンたちいなかったけど殺されちゃうのかな。

90年に一度って言ってたけど、年1くらいでやってるでしょ!手際が良すぎるもん!なんなの!こわ!毎回外から新しい種と生贄を連れてくるのがフォーマットなのかな。「痛くなくなるよ〜」って舐めさせたお薬も嘘っぱちだったので、あの宗教自体ハリボテなのかも。

ダニーの目線では魂の救済でハッピーハッピーなお話。第三者の目線ではうさんくさい宗教に巻き込まれて取り込まれたお話。どっちの視点で見ても面白いのってすごいな〜。救済と宗教どちらのテーマも作り込まれてるからなんだろな。

直後のパンチはそこまでだけど、いろんな角度で感想や考察が捗って楽しい。