ショウキ

ミッドサマーのショウキのレビュー・感想・評価

ミッドサマー(2019年製作の映画)
4.4
2020年281作目(再視聴)

運命を示唆する描写の面白さ

ミッドサマーは何回見ても面白いですね。

一発目のタペストリーにネタバレが
全部書いているのももちろん、
運命を示唆する描写がとても緻密で、
何度見ても楽しめる構造になっています。

これは初見で気づく方も多いと思いますが、
ジュースとパイを食べるシーンで、
クリスチャンだけジュースが濃い色なんです。
更にそれを含むクリスチャンの運命を
示唆したタペストリーが、
村を散策しているシーンに映っています。

怖い…

また、ダニーが着ていたホルガの衣装に
書かれていたルーン文字は「ᚱ」と「ᛞ」。
「ᚱ」は“変化”という意味、
「ᛞ」は”終わりと始まり”という意味があります。
つまり最初からダニーの運命も
その時から示唆されていたのです。

ひえ…

そして、ダニー達が泊まった小屋の
壁の絵にも運命を示唆するものが、
隠されています。

例えば、
・三角黄色小屋で生贄を燃やすシーン
・生贄サイモンの処刑血のワシのシーン
・アッテストゥパンの飛び降りシーン

などなど

ミッドサマーは何度見ても楽しめる、
極上のフォークホラー映画です。


2020年76作目(劇場18作目)
2020年77作目(劇場19作目)(再視聴)

最高のザコシショウ映画

まず、本作は私が今まで見た中で、
最高の恋愛映画の一つになりました。
愛や恋についてどう考えているかなど、
所謂、恋愛観によって感想が変わると思います。

ヨルゴスランティモス監督のロブスターと
本作品は根がとても似てると思っていて、
愛って何?みたいなところや男女のすれ違いを、
ザコシくらい思い切り誇張しながらも、
コミカルかつ辛辣に描いています。

特に本作の男女の面倒臭さの可視化が最高です。
自我関与の描き方がとてもカルト的で、
見ていてニヤニヤが止まりませんでした。

また、ミッドサマーの感想を語る上で、
外せないキーワードが“集団心理”だと思います。
集団心理というものは怖いもので、
外から見ると異常と感じることでも、
中にいるとあら不思議、正常に思えてしまいます。

集団心理は救済にもなれば暴力にもなる、
そんな危うさもザコシくらい誇張して描いています。

そして、私は本作の程よい難解さも好きです。
ヘレディタリーのような宗教的な知識もいらず、
風景やセリフなど全てが歯車のように、
次の動きへと連動して話が展開されていく
仕掛けが沢山あるので楽しいです。

なので、個人的には2回見るのをオススメします。
2回目見るときは前半シーンの面白さが倍増。
そして、後半は1回目よりも冷静に見れるので、
自分の中での消化不良が一切なくなり、
最高にスッキリした状態で見終わることが出来ます。

全然話がまとまらないし、
細かなシーンも語りたいところですが、
ネタバレにもなるのでこの辺で、、、

最後にミッドサマーは、
現実レベルで自分達がしていることを、
映画として醜くも美しく誇張して描いている、
恐ろしくも素晴らしい作品だと思います。
ショウキ

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