よーすけカサブランカス

ミッドサマーのよーすけカサブランカスのレビュー・感想・評価

ミッドサマー(2019年製作の映画)
3.9
やや長すぎるし中盤が冗長なのは明らかなんだがそのせいなのか、ずっと悪い夢を見ているような気分になったのでそれはそれで悪くないのかなとも思った。文明人と未開の地という対比では食人族やグリーンインフェルノが思い出されるが、アリ・アスターの興味はそういった社会批評よりももっとパーソナルな領域にある。しかも恐ろしいことに彼は主人公を救おうとしているようである。カルトの祝祭を通して行われる喪失に対するセラピーであり、あるいは煮詰まった関係に対する解決。冒頭のどうしようもない絶望の描写とタイトルカットは心躍った。