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ミッドサマーのmarohideのレビュー・感想・評価

ミッドサマー(2019年製作の映画)
3.5
 狂気的な側面にフォーカスした感想が目立つ本作だが、個人的には自身と全く違う異文化を遠巻きに眺めているような見心地であり、むしろ野蛮・狂気とは一番離れた場所にいる映画として観た。

 作品の色合いや雰囲気も含め、観終わったあとの後味はNHK教育で放送されている旅番組のよう。Eテレで深夜に10分くらいの枠で音楽と白地のテロップだけ流す番組(「世界名曲アルバム」とか)と雰囲気が似ている。

 とはいえ、あのようなシチュエーションをあの色合いで表現したことはやはり画期的。自分もかねがね曇り空より雲一つない青空の方が不気味だと感じていたくちなので、映画なんて撮っていない身ながら先を越された!悔しい!という気分になった。

 ミッドサマーを観た人には必ず薦めているが、是非とも記憶が新しいうちに村田沙耶香の「生命式」を読んでみてほしい。短編集なので読みやすく、テーマなどに通じる部分が多いので面白く読めるはずだ。
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