ikumura

レイトナイト 私の素敵なボスのikumuraのレビュー・感想・評価

3.4
トレーラーによると、無難なコメディ映画、という印象ではあったがエマトンプソンファンとしては見逃せないな、というわけで映画館へ。

思った通り、わりと予想できる感じのストーリー展開ではあったけど、
マンネリに悩む初老イギリス人女性コメディアンのトークショーを、
駆け出しの若いインド系女性ライターが救う、
という設定はなかなか面白かった。
ミンディカリングが好演、かつ可愛い。
ライター陣の、はじめの、ホモソーシャル(しかも白人だらけ)でだらけ切った感じが笑えたが、
そういう環境の中でエマトンプソン演じるキャサリン自身が、
白人男性中心の価値観に反発しつつも内面化している、
というのも示唆的。
たとえば、女性ライターを雇ってこなかったのも、実力のあるのが見つからなかったからだとかよくある言い訳をするし、モリーに対しても「あんたなんかアファーマティヴアクション枠なんだからね!」みたいな態度がなかなか消えない(後者に関しては段々ツンデレっぽくなっていきますが)。
フィクションとはいえ、こういう職場での差別とか偏見がまだまだ日常茶飯事だからこそ
こういう脚本がウケるんだろうな。

一方で、それだけ自分のトークショーに人生を捧げてきながら、
なんで自分を支えるライター陣と交流せずにきたのか
(昔はあった、と示唆する場面もあるから、大御所になるにつれてお互いノータッチになっていった、ということなんだろうけど)
モリーが来たくらいでなんでそんないきなり反省してうまくいくのか、
という点は若干疑問。
あとあの冴えないモテ男のキャラ。。(笑)
まあ、女性の弱みを見抜いて心を掴んじゃう、ということなんだろうけど、ちょっと取ってつけたような感じが。
ikumura

ikumura