ワイカ

レイトナイト 私の素敵なボスのワイカのレビュー・感想・評価

3.8
 これまたなかなかの拾い物。ほどよく軽いお仕事サクセスストーリーがお好きな方にオススメです。
 
 アメリカの人気テレビトーク番組を持つ傲慢なベテラン女性司会者(兼番組制作会社の社長っぽい)が、視聴者低迷で降板の危機にさらされ、部下の新人女性ネタライターらとともに乗り越えようとするお話。

 ハリウッド映画らしいメジャー感やメリハリがちゃんとあって、テンポよく話が進むのが見やすくて良かった。アメリカのタレント司会者があんなにたくさんのライターを抱えて仕事してるという業界事情も分かってへぇって思えました。

 エマ・トンプソン演じる主人公がパワハラで部下に異様に厳しいのは「プラダを着た悪魔」に近い感じ。違うのはプラダが新人社員の成長を描いていたのに対し、こちらはボスの方が成長するところか。

 そのEトンプソンの演技がとてもいい。彼女ってこれまでの映画では地味な印象が強かったけど、こういう役も上手いのね。この辺もプラダにおけるメリル・ストリープのインパクトに近い。

 プラダのアン・ハサウェイの役どころはインド人女性が演じ、白人男性社会の差別を描いてるのも、ちょっと奥行きを感じさせてくれる。Eトンプソンの夫役はジョン・リスゴー(フィルマのキャスト欄でなぜか一番上だけど主役ではない 苦笑)が好演。彼がパーキンソン病で子供がいないけど信頼し合ってるという設定も、夫婦の絆を描いていて悪くなかった。

 ただ、製作会社があの番組一本で、あんなにたくさんのスタッフ抱えられる?というのはちょっと疑問。アメリカはテレビで当たればあのくらい稼げるのかな。

 日本で未公開だったらしいのは、メジャーな俳優がほとんど出てないから?ちゃんと楽しめる良作なのにもったいない。
ワイカ

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