FREDDY

盗まれたカラヴァッジョのFREDDYのネタバレレビュー・内容・結末

盗まれたカラヴァッジョ(2018年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

1969年のイタリアで実際に起こった未解決の絵画盗難事件を題材とした、ロベルト・アンドー監督によるサスペンス作品である本作は、とある日に市場で出会ったアルベルト・ラックと名乗る謎の男から、1969年、パレルモ旧市街の聖ロレンツォ礼拝堂で起こり今も尚未解決のままである、カラヴァッジョの名画『キリスト降誕』がマフィアによって盗まれた盗難事件の映画化を持ち掛けられた人気脚本家・アレッサンドロ・ペスのゴーストライターを務める映画プロデューサーの秘書・ヴァレリアが、事件の裏側を書き起こしたプロットがプロデューサーに絶賛され映画製作が決定するも映画会社と結託するマフィアによってアルベルトが昏睡状態に陥ったことで、ラックの協力と匿名の身であることを盾に"ミスター X"名義で脚本を書き続ける中、ミスターXの正体を突き止めようとあらゆる手段を尽くすマフィアに追い詰められながらも映画製作に奔走していく様を描いたものとなっているのだが、まず触れたいのは、本作は盗まれたカラヴァッジョの名画『キリスト降誕』の在り処に迫る作品ではないですし、カラヴァッジョ自体にも触れられず、ミステリー要素もなければ事件の真相も解明されず、要するに、"名画はマフィアに盗まれた"という主張だけが印象に残る一作。あとはイタリア映画ならではの小気味の良いテンポでコメディとスキャンダルが散りばめられていて、物語も二重構造なので人によっては理解に苦しむのでは。なので、当然ながらカラヴァッジョを目的とした視聴や事件の真相を追求したい人には不向きな作品となっていますし、装いはコメディ・サスペンスとなっているので、シリアスな作品を求めてしまうと肩透かしを食らってしまうかも。面白いことには面白いんですけどね。オススメは難しい。
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