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幸福路のチーのyassoonのレビュー・感想・評価

幸福路のチー(2017年製作の映画)
3.7
チーという1人の女性の生き様と1975年以降の台湾の歴史を重ね合わせた物語。過去と現在を行きつ戻りつ、その時々の楽しかった思い出や葛藤、苦悩が語られ、今の大きな決断へと繋がる。

自分が何を幸福と思うかは人から定義されるものじゃない。結局、自分しか幸福を決められないから、まずは自分の求めるものに正直になる事が大事なんだろうな。他人は他人、自分は自分、という意識も必要。他人と自分を比較して羨んでも、それは見えている部分が輝いてるだけなのかもしれないし、何より他人にはなれない。また、抱いていた大きな目標や理想や夢が叶わなかったとしても、それ自体を他人に責められる筋合いはない。自分の人生なんだし。チーはおばあちゃんに色々相談しているようで、最後の決断を他人に任せていたのかもしれない。それを自分の意思でおこなった事で、おばあちゃんを手放せたとも考えられるのかな。

あと頼れる人がいるって保護ネットになるなぁ。親でも、友人でも。そんな人がいない場合は行政がその役割を担うべき。政治をウォッチし意見を述べる大切さも感じられた。

台湾が政治的にも難しい選択をしてきた(今もしている)のも分かる作品。

アニメーションの絵のタッチが好き。それがコロコロ変わるところも良かった。

日本で置き換えれば、大人になったちびまる子ちゃんが子供〜青年時代を振り返えりつつ今と向き合う、という趣かと。それはどんな物語になるだろうか。(7-71)
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