たくみ

命みじかし、恋せよ乙女のたくみのレビュー・感想・評価

命みじかし、恋せよ乙女(2019年製作の映画)
4.0
観終わってからネット記事で読んで知ったんだけど、これは同監督の2008年の作品「HANAMI(日本未公開)」の続編と言う位置づけだそうです。ただ「HANAMI」では今作の主人公にあたるカールの父親であるルディが主人公だった(らしい)ので、お話としては別のエピソードとして捉える事も可能です。

今回パート2とも言える今作がわざわざ日本で公開になったのは、樹木希林さんの遺作にして海外作品初出演作でもあると言うのが大きいでしょうね。

監督のドーリス・デリエは小津安二郎に大きな影響を受けているそうで、これまでも日本を舞台にいくつか作品を撮って来たそうです。今回の舞台はドイツですが、クライマックスでは主人公が日本にやって来るので舞台が茅ヶ崎に変わります。ここで茅ヶ崎の旅館の女将を演じているのが樹木希林さんと言うわけです。

原題(英題)は「CHERRY BLOSSOMS AND DEMONS」直訳すると「桜の花と悪魔」になりますが、今作での「DEMONS」は「もののけ」と言うニュアンスが一番近いでしょうね。もっと日本風に言うと「妖怪」って感じです。実際作品にも妖怪のイラストが色々と登場します。

きっと前作を観ていないと解り辛い描写もあった気がしますが、何分未見なので何とも言えません。個人の見解ですが、ちょっとアッバス・キアロスタミ監督作品の様なカラーも感じました。

少し難解ですが、非常に印象深い作品でしたね。これは今年の掘り出し物大賞候補です!
たくみ

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