本作品は昨年、私が台湾へ旅行したときに現地で丁度上映されていて話題作となっていたと思われ、日本公開されたときにぜひ観てみたいと思っていたもの。
女性の生きづらさについて、韓国社会が抱える問題をリアルに描いた作品。
「キム・ジヨン」という名前は韓国ではありふれた名前らしく、本作品で描かれた内容を単なる一個人のエピソードではなく、世間一般的な問題として印象づけている。
韓国だけでなく、同様の問題は日本社会においても当てはまると感じた。
主人公の夫が妻の異変を目にして、それまで妻の置かれた状況や妻の気持ち、そして妻の人生への理解が乏しかったことに気づき、妻を理解しようと努める姿が描かれている。しかし、それをもってしても根本的な社会問題が解決されているわけではないことに、本作品が発する問題の根深さが表れている。
今すぐに具体的な問題の解決策が導かれるわけではないが、いつか自分が同様の状況に直面したときに、この問題について考え続けること、できる解決策を探し続けること、パートナーの気持ちを理解するよう努め続けることが、大切なのだと思う。
どうしても抽象的な感想になってしまったが、考えるきっかけを与えてくれた、良い作品だった。
