このレビューはネタバレを含みます
ざっくり言うならキム・ジヨンの女性社会の苦しみを描いた過去を撮しながら、仕事一筋だった女性が結婚し子供を授かりながらも仕事復帰を目指す物語
見方によっては好き嫌いが別れる作品ではあるけど、たぶん女性が観たら本作がかなり好きな人は出てくると思う。
セクハラや盗撮、結婚して子供を授かった時の生活のストレスというのは日本でも通ずるものはあるだろうし、かなり共感する人は出てくるんだろうなというのは観てて感じました。
映画作品としても見ごたえの部分は多数あったし、終盤を除けば結構思ったよりも見易いものになっていたんだけどやはり終盤の荒さは気になる。なんか時間制限付きの料理大会で時間制限ギリギリで盛り付けとか飾りつけを適当にやった荒さのような感じ
俺は男性なんだけどやっぱり今彼女がいる自分からしたり｢◯◯やるから｣とか言いながらもなかなかやれないことが起きて女性に負担を与えるんじゃないかっていうちょっとした理想と現実の怖さを今知れたから、そういう意味では勉強にはなりました。
なによりこのキム・ジヨンと夫の関係が共感するというか、そもそも自分の母親と父親に似ているんですよね。母が育児のストレスで別人格になってしまったりとか、父親が良かれと思って口に出した優しい言葉がまた母親にストレスを与えて口論になったりとか。本当育児は育てるのも大変だけどパートナーの関係性も大変だなと
ただ俺が大変失礼ではあるけど｢キム・ジヨンの方はまだマシだな｣と思ったのは、子供が寝てないときや食事中でも平気で口論して喧嘩して皿や物が飛ぶのは当たり前で、最悪子供にも手を出してしまうということもかなりありましたからね。こんなことをこの場で言うべきかどうかは置いといて
一方でセクハラや性差別のシーンにフォーカスを当てた時はかなり前面に出しすぎてるなという感じはしました。別に出すのは良いんだけど前面に出しすぎると、全体的に観たとき多少違和感は感じるんですよね。
それから育児のストレスでうつになったりとかは分かるんですが、産後のうつで祖母が乗り移ることってあるのかな？そういうものなのか、はたまたキム・ジヨンが祖母に憧れを抱いていてうつになった時に自分で祖母を投影してたのか。どちらにせよここら辺は少し分かりにくかったですね。
共感する人は好きな作品だし、また逆も然りな作品ではありますが、個人的には結婚を考えてる人とか若い男女が観るのもオススメな作品のひとつではあります
