tottsun

フェアウェルのtottsunのレビュー・感想・評価

フェアウェル(2019年製作の映画)
3.8
「フェアウェル」🎬43
末期がんを患う祖母のため、祖国を離れて海外で暮らしていた親戚一同が、従兄弟の結婚式を理由に中国に戻ってくる。ニューヨークで育ったビリー(オークワフィナ)は、祖母が残りの人生を悔いなく過ごせるように病状を本人に明かした方がいいと主張するが、両親を含めたほかの親族たちは、中国では助からない病気は本人に告げない伝統があると反対する。
コロナのせいで延期される前から楽しみにしていた作品です。
まさかの半年遅れになるとは思わなかったけど無事公開してくれてよかったです。
皆さんはこういう状況になった時どうしますか。
鑑賞していて、ふと祖母のことを思い出しました。
私が中学生の時祖母は胃がんを宣告された。
幸いにも初期の初期で、健康診断で違和感を感じたかかりつけのお医者さんががんセンターを紹介したところやはりガンだったのだ。手術で胃を半分ほど取り除いてそこからは特に再発もなく過ごしている。
その時しきりに祖母は先生や看護師の方達にどんなことでも隠さずに教えて欲しいとお願いしていた。
アメリカと中国。文化の違いなのか、死生感も違う。
国の違いなのか祖母には家族ぐるみでひたすら隠そうとする。
私はビリーのように感情がこぼれ落ちそうなので隠し切れる自信は正直ないしそれが正しいのかも分からない。
印象的だったのは「ガンで死ぬよりも恐怖で死んでいく」というセリフだ。
もしガンの宣告をされたら「なぜ、どうして」と思うのは間違いないだろうしそれが恐怖になるのも十分分かりえる。
だけど後悔なくお別れをするっていうのは叶いもしない願望なのだろうか。
そんなことを考えてしまった。
祖母の息子のうち長男家族は日本に、ビリーの父親である次男家族はアメリカに移り住む。だから死生感以外にもそれぞれの文化的雰囲気を感じて興味深くはあった。
オークワフィナはやっぱり佇まいがとても自然というかどこにでもいそうな感じがとても良いなと思う。
私的には☆☆☆.8かな。
tottsun

tottsun