ハリィしろかわ

TENET テネットのハリィしろかわのネタバレレビュー・内容・結末

TENET テネット(2020年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

【「#テネット」観てきました!①】

■クリストファー・ノーラン監督最新作の本作を先日鑑賞。

表向きは、OO7や「ミッション・インポッシブル」シリーズを彷彿とさせる、世界を股にかけるスパイ・アクションものだが、そこにノーラン監督は毎度お馴染み(?)の超難解な時間の概念(時間の「逆行」)を導入。
鑑賞中は、頭の中で時間の「順行」「逆行」を確認しつつも、次第に混乱…
ストーリーを理解するには、2回目以上観ることが必要。
鑑賞後は「批評」よりも「解説」「見直し」がしたくなり、その時点で私達は見事にノーラン監督の掌中に気持ちよく転がされている…

ノーラン監督は天才、そして変態です。🤣

パンフレットに掲載されたストーリー解説や「逆行」ルールの説明は、まるで物理の教科書のよう。でも、2回以上鑑賞するならば、パンフ購入はマストです。

■細かい分析は他の方々にお任せして😅、ワタシなりの「#テネット」2回目鑑賞ポイントを以下のとおり(ネタバレ寸前で)まとめました。





①2回目はニール視点で観る!
初回は主人公(ジョン・デヴィッド・ワシントン)視点で観るのは当然だが、次回は主人公の相棒ニール(ロバート・パティンソン)視点で観ると、同じシーンでも、主人公とニールがそれぞれ別の目的や理念で行動していることが分かる。
しかし、両者とも、「第3次世界大戦」の勃発を防ぐ、自らの命を賭しても!という信念にはブレがない。その点を再認識しておくと、二人のバディアクションと友情に胸が熱くなる。

②逆行バトル&カーチェイス
本作の見どころでもある逆行バトル(「順行」の主人公と「逆行」の謎の男が同時に格闘する)や逆行カーチェイス(「順行」の車と「逆行」の車が同時にカーチェイスを展開する)を実際にどう撮影したのかを、もう一度確認したい。
劇中では、本作の難解さは深く考えずに「感じろ」と語っていたが、映画製作においては「感じろ」だけでは無理。
ノーラン監督が頭中の緻密なビジョン・設計図を具体化して、現場スタッフたちに綿密に説明・指示しているシーンが本作を観ながら想像できてしまう。
ここにノーラン監督のストーリーテラーの奇抜さだけでなく、「現場監督」としての力量・馬力の強さを感じる。

③「#時間挟撃作戦」を再確認
ストーリー終盤、プルトニウム爆発を阻止するための「時間挟撃作戦」。
これは初回観ただけでは、全ての段取りを理解するのは難解。
なので、単純に作戦の段取りをもう一度確認したい。

「#テネット」は2回以上観るのが面白い。
久々に劇場で見応えのある作品を観られたことに感謝。
本作の公開を機に、劇場に再び観客が戻ってくることを願うばかりです!







オマケの気付き点(ネタバレ含む)

クリストファー・ノーラン監督の作品は、映画のタイトルがエンドロール直前に出てくることが常(「ダークナイト」「ダンケルク」等)だが、今回はタイトル「TENET」と序盤の方に出てきており(主人公が拷問にて気絶するあたり)、通常の「ノーランルール」とは逆であることから、「本作は「時間の逆行」をテーマにしてますよ〜」というノーラン監督からのメッセージではないか、と鑑賞後に思った次第です。
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