あおい

TENET テネットのあおいのレビュー・感想・評価

TENET テネット(2020年製作の映画)
3.3
この一瞬すらも、時の波の中では…

クリストファー・ノーラン監督最新作は、「時間」をテーマにしたSFアクション。

ほんまにこの監督は着眼点が凄いし、やろうとしたことをとことんやってしまう人ですね。
時間は「順行」するものと、意識せずとも思っていた自分が情けなくなる( ^ω^ )

◎ストーリー
とある男が、キエフにある兵器回収任務に就いてた。彼が探している兵器は、地球を一瞬にして消し飛ばす程の威力を持ち、一度発動されれば新たなる大戦が起きてしまう代物だった。
後少しのところで奪還に失敗した男だったが、任務後とある組織に招かれる。
そこでは、「時間」を操る技術を以って、再び兵器奪還を狙う計画が立てられていた。
鍵を握るのは「TENET」という言葉と、「時間の逆行」…

今作は、「逆行」を描いた逆再生のようなアクションシーンがとにかく見もの。予告編でもあったカーチェイスは、一体何を観ているのか分からなくなるほどの没入感。
旅客機爆破のインパクトもさることながら、バックで激走するあのシーンは、ほんまに一見の価値あり。

デンゼル・ワシントンの息子さんのアクションも華麗で、更なる活躍を期待してしまいます。
セドリックことロバート・パティソンも、この映画を観た人誰もが好きになること間違いなし!

と、アクションや拘った撮影方法もさることながら、やっぱりテーマとなる「時間」についての描き方や探究心が凄まじい。
言うまでもなく相当設定を作り込んであるので、上映時間内に全てを整理するのはほぼ不可能と言っていい。

設定は難解やのに、ラストはスッと飲み込めてしまうのも作り方が上手い!
明らかにキーとなるシーンは分かっていても、最後まで気づけなくて悔しいです( ^ω^ )

ドラマチックさや感動要素は、「インターステラー」や「インセプション」の方が優れているけど、脳をイジメる爽快アクションとして類をみない作品に仕上がっています。

2020年劇場鑑賞66作目
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