勝ったのは農民だ

TENET テネットの勝ったのは農民だのネタバレレビュー・内容・結末

TENET テネット(2020年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます


《映画館は闇に包まれてしまった。

だが、決して映画がその価値を失うことはない。

この危機を乗り越えた時、人々の集まりたいという想いや、ともに生き、愛し、笑い、泣きたいという願いは、かつてないほど強くなるだろう。

映画館はそのすべてを、私たちにもたらしてくれる。

だから、私たちには映画が必要なのだ。》




これは

「ワシントン・ポスト」紙への寄稿文の抜粋

であり、

日本版パンフレットの冒頭に記載された

クリストファー・ノーラン監督自身のコメントです。


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【クリストファー・ノーラン監督作品を映画館で観られる喜び】😭

※今回、ラストシーンまでネタバレします。
これから観るつもりの方は絶対に読まない方が良いです。
読んでも損しかしません。🙇🏻‍♂️


個人的にはクリストファー・ノーラン監督作品を映画館で観るのは恥ずかしながらこれが初めてです。♨️

今作を観る前に『インターステラー』をAmazonPrimeVideoで観直して、色々と再確認が出来て良かったんですが、やっぱりあれも映画館で観るのがベストだったんでしょうね…。📽


だから、

“面白い“とか“つまらない“とか言う以前に、

新型コロナ・ウィルスの影響もあった中で、😷今作を映画館で観られたこと自体が自分には幸せなことです。😭
配信ではなく映画館での上映にこだわったクリストファー・ノーラン監督及び映画関係者に感謝です。🙇🏻‍♂️

欲を言えば、自分の地元にはIMAXシアターが無いのでそれで観ることが出来ないのは残念ですが、

とはいえ、それでも大満足です。♨️

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【サム・メンデスとクリストファー・ノーラン】

自分にとっては『1917 命をかけた伝令』以来の劇場での鑑賞になりました。🏃‍♂️

『1917』も自分は素直に、“すごい撮影ですごい手間をかけた傑作“だと思いましたけど、🎥

あの映画のサム・メンデス監督もクリストファー・ノーラン監督作品にお互いかなり意識して、影響を受けているそうですね。


『ダークナイト』の影響で『007/スカイフォール』を撮ったり、

『ダンケルク』の影響で『1917』を撮ったり。


今作『TENET/テネット』も、特に海のボートシーンは「『007』っぽいなぁ」って感じました。🛥


ただ、

『1917』🏃‍♂️のストーリーのシンプルさ&分かりやすさに反して、

今作『TENET/テネット』⏪の複雑さ&分かりにくさ故に、ネット上でもそのストーリー解説ばっかりされている気もします。


正直に言うと、

自分もネタバレ無しの解説動画を少しYouTubeで見てから劇場に足を運んだんですが、

それでも結構序盤の早い段階から置いてけぼりをくらいました。🤯
自分のリテラシーの低さを実感しました。😔


とはいえ、先に単純な感想を言っておくと、

スリリングで迫力ある映像を観ただけでも十分に映画料金の元をとれた🤑とは思いますし、自分は素直に楽しめました。😄

要は、劇中の情報量・ルール設定が多くてちゃんと把握出来ていないのは断言しますが、それでもそれなりに面白かったんです。✌️


ただ、クリストファー・ノーラン監督自身も、細部まで正確に把握しているのかも怪しいもんです。🤔

『インセプション』もおそらく彼自身、脚本の多少の穴🕳には目を瞑っている(スルーしている)と思いますよ。でも、あれも面白かったですし。


もちろん、“全部を理解しきれないから2回目を観に行く“人がいるのも納得ですし、そういう人の気持ちを否定するつもりもありません。

個人的には『インセプション』よりも『インターステラー』よりも内容についていけませんでした。😅

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【天才にはついていけません。】

TBSラジオの「たまむすび」で映画評論家:町山智浩さんが紹介していましたけど、📻

クリストファー・ノーラン監督は

本や雑誌を読む時に結末から逆に読んでいくそうですね…。
「結末を分かった上で読んでいくと、どんな話もミステリーになる」📚
みたいな言い分があるそうですけど、

それが本当なら、すごく合点がいきます。♨️

過去作の『メメント』も本当にそんな感じの作品でした。


ただ、そんな読み方は本を書くミステリー作家にとっては嫌でしょうね…。

それに、友達同士で「あの本、面白かったね😄」みたいな盛り上がる会話はしにくいでしょう。

天才にはついていけません。🧐


少し話が逸れますけど、

・漫画「デスノート」の原作:大場つぐみさんは、

「“もし名前を書いたらその名前の人は死ぬノートが存在したら“を出発点にして、そのノートのルールを細かく作っていった」

とか、


・漫画「カイジ」の作者:福本伸行さんは、

「まず必勝法を考えて、それが成立するようなルールをつくっていく。」

とか、


(ノーラン監督・脚本の作品を観ていると、)そういう原作者の脚本上のルール設定のしかたを少し想像します。

実際にクリストファー・ノーラン監督がどういう脚本づくりをしているかは知りませんが、

おそらく今作の「第3次世界大戦を防ぐために」って動機はストーリー上の後付け設定だと思います。🤔

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【ジョン・デヴィッド・ワシントン演じる主人公自身、謎の人物でイマイチよく分かりません。】

俳優さんに関しては、

地味に脇役も豪華で、

⑴まず、『キック・アス』でオタク青年の主人公を演じたアーロン・テイラー・ジョンソンが終盤で目立った重要な役割を担います。💪


⑵次に『イエスタデイ』の主人公を演じていたヒメーシュ・パテルが、これまた地味に良いサポート役で出ていたのがサプライズでした。🛥


⑶今作のヒロインを演じたエリザベス・デビッキさん。めちゃくちゃ細くて背が高いですね。😅

ただ、美人なのも分かりますけど、顔以上に背の高さが気になりました。並んだシーンでジョン・デヴィッド・ワシントンが低く見えるんです。


⑷そして、悪役をケネス・ブラナーが演じていますが、カーチェイスのシーンで酸素マスクをつけて彼女を抑えて3️⃣2️⃣1️⃣とかカウントダウンするくだりは、どこか『マッドマックス/怒りのデスロード』のイモータン・ジョーみたいでした。

指を交差させるポーズも🤲「V8、V8」のポーズに見えました。(自分だけの勝手な見方です。)😅


⑸それから相棒ニールを演じたロバート・パティンソン。彼も良かったです。🆒

このレビューを書きながら気づいたんですが、

・『インセプション』のジョゼフ・ゴードン・レヴィットとか、

・『ブラック・クランズマン』のアダム・ドライバーとか、

“主人公の良き相棒役“って自分は好きなんでしょうね。😄

ある意味、主人公以上にカッコよかったんですが、次回作『The Batman(原題)』ではかなりダークなブルース・ウェインを演じているみたいですね。😨

それもかなり楽しみです。🦇


⑹でも、なんといっても主演のジョン・デヴィッド・ワシントンです。

彼の出演した前作『ブラック・クランズマン』も、これまた分からない単語がよく出てくるんですが、あれはあれで面白い作品でした。🤯
(正確には潜入捜査モノ映画なんですが、)あれも今作と同じスパイ映画です。


ただ、今作では“名前のない主人公“ですし、基本的には彼の素性や人物像がよく分からないんです。🤨

(もちろん監督の意図したことでしょうが、『インセプション』より遥かにキャラクターの掘り下げ不足というか、説明が少ないです。)

加えて今作ではどういうわけか、ことあるごとに敵に捕縛されて取り押さえられるんです。😩

だからある意味、主人公なのにあんまり美味しい役ではないかもしれません。

あと、個人的には父親のデンゼル・ワシントン同様に、口元を髭で隠すのは表情を読み取りづらくなって、あんまり好きじゃないです。🧔🏾


とはいえ、もう『ブラック・クランズマン』 とこの『TENET/テネット』の2作品だけで、もう俳優としては“親の七光り“✨って言う人はいないと思います。😄

『ブラック・クランズマン』を観た時に、

二言目には

「彼はデンゼル・ワシントンの息子だ。」

って言う説明をよく聞きましたし、自分もそう言うことが多かったんですけど、

「『TENET/テネット』の主人公だ。」って言えば多くの人が分かってくれるはずですし、

何より、こんなハリウッド超大作🇺🇸の主演を張るのって結構なプレッシャーだったと思います。😖

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【ノーラン監督に直接その言葉をぶつけられた気分になります。】

今作を観る前にノーラン監督の過去作を何本か観たんですが、


「別に同じ本を何回読んでもいいでしょ。」📖(『メメント』)

とか、

「マジックは、トリックを考えているうちは楽しいけど、いざ種明かしをされたらつまらないものだ。」🎩(『プレステージ』)

みたいに、

⑴劇中で観客に対してダイレクトに言われているような気分になる台詞がよく出てきます。🗣


クリストファー・ノーラン監督の脚本は、そういう特徴がありますね。📝


⑵それからはっきり言って、話が理屈っぽいですよ。🧐


『インターステラー』で“マーフィーの法則“やら“量子力学“やら、難しそうな用語が出てきましたけど、

今作『TENET/テネット』でも“エントロピー増大の法則“とか色々と出てきます。

でも、何のこっちゃない。
少なくともそれらを知らなくても全然楽しめる映画に思います。😅

それこそ、

(すでに多くの方がこの言葉についてレビューで触れていましたが、)

ブルース・リーの名台詞「考えるな、感じろ」よろしく、

変に考えないで、純粋に“楽しんだもん勝ち“なんだと思います。☹️

それ以外にも、

「無知は最大の武器」とか、
「秘密が一番」とか、

「変に予備知識を入れずに観てください。」
「もう観た人は他人にはネタバレしないでください。」

って言われているみたいでした。
(もちろん、自分の勝手な解釈です。)🙇🏻‍♂️


⑶それから、『プレステージ』でもドラえもんの秘密道具みたいなアイテムが出てきましたが、今作でもあの“回転ドア“はまさにそんな感じに見えました。

なんか、荒唐無稽な要素でもありますね。
『インターステラー』のTARSもドラえもんと同じく人のために役に立つロボットですし。🤖

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【よく分からないポイント】

❶尋問のシーンで体の動きは逆再生しているのに、なんで言葉がそのまま聞き取れるのか❓がよく分からないんです。🗣

例えば、
「消防車🚒(しょうぼうしゃ)▶️なら、(ゃしうぼうょし)⏪」って感じで聞いていて意味が分からんですよ。😅

※☞これは後からフォロワーさんから聞いたことですが、

・録音機の使用をしてちゃんとした理由がある

・(自分は日本語字幕は普通に読めましたけど、)ケネス・ブラナーはちゃんと逆行言葉を遣って話していた。🗣↩️


いずれにしても、おそらく自分が観ている間、色んなことを考えていて聞き逃したんでしょう。😅
また、ブルーレイ📀が出たら何回か巻き戻して⏸⏪確認してみます。

改めて、ありがとうございます。🙇🏻‍♂️



❷『ダークナイト』や『インセプション』にもあったド派手なカーチェイスシーン。
今回も消防車の逃げ場をなくすカーチェイスは観ていて面白かったんですけど、🚒
毎回薄々感じていましたが、あんなことする必要がありましたかね❓

なんか、そのシーンを撮りたいからそういう話にした気もします。🎥

❸それから根本的なことをいうと、この映画って、もっと分かりやすく編集することも出来たはずです。🎞

移動時間もばっさりとカットして✂︎急に舞台が移ったりするので、

「今、何のためにこれをしているのか❓」

が観ていて混乱しやすいんです。🤯

ただ、もしも親切に画面の下の方に「◯月◯日◯時◯分◯秒」みたいな字幕をつけたらそれはそれで分かりやすいけど面白さも無くなるような気がしなくもないです。📆

🛥🛥🛥🛥🛥🛥🛥🛥🛥🛥🛥🛥🛥🛥🛥🛥🛥🛥🛥🛥🛥🛥🛥🛥🛥🛥🛥🛥

【話の内容に理解がついていけないなりに、終盤は観ていて気持ち良かったです。】

終盤の展開はどうしても『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズを連想しちゃいました。😅

①ただ、これはノーラン監督作品に限らずですけど、序盤のシーンが終盤の忘れた頃に生きてくるのって、

「なるほど、そういうことだったの⁉️」

ってスカッとします。😆


②それに冒頭のオペラハウス🎻のテロのシーンから、ラストの戦争シーンまで🟥🟦、
「こんなのよく撮れたな」って素直にそう思います。🎥

飛行機のシーンもすごかったです。
地味に車や電柱も沢山轢き潰していました。🛩


もちろん、ノーラン監督の過去作品(特に『インセプション』)と似たような要素は沢山あるので、既視感を感じる人もいるかもしれませんが、それでも凄いと思います。💮



③ハンス・ジマーさんも偉大な映画音楽作家だと思いますが、今作のルードビッヒ・ヨーランソンさんの音楽も聴いていて緊張感がありました。🎼
予告編で流れていたあのメロディも耳に馴染んできます。👂

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【ラストシーンもかなり好きです。】

自分は意外な結末に感じたんですが、

個人的に好きな

「“自分が何者か“を知る話」でした。

『ターミネーター(一作目)』のラストにも近いような、
「ひとまずはハッピー・エンドだけどこれから先、あの人の人生は大変だぞ」

って思ってしまうのと、

あの2人の後ろ姿を、あの人が見守るラストシーンは観ていて切ない余韻を残しました。😢






ただ、これまで言ってきたこと全て、あくまでも馬鹿な自分の勝手な解釈です。
パンフレットも買ったので、これからしっかり読み込んで理解していこうと思います。😅

あまりにも素っ頓狂な解釈をしていたなら、また訂正するかもしれません。🙇🏻‍♂️

ただし、今作に関しては

もし仮に自分が「クソつまんねぇ」って文句を言ったところで、クリストファー・ノーラン監督作品が好きな人なら絶対に観るでしょう。😄


もちろん、

どういうスタンスで観るかは人それぞれですし、

観てワクワクしなかった人もいるでしょうが、

それも含めて観終わった後にレビューを読むのは楽しい一作です。🎬