シネラー

TENET テネットのシネラーのレビュー・感想・評価

TENET テネット(2020年製作の映画)
4.0
シリーズ物以外で
今年一番楽しみにしていた映画。
久しぶりの映画館で鑑賞。
初見の感想を率直に言うと、
訳が分からなくなるが面白くて
凄いものを観たという印象。

『インターステラー』、
『インセプション』でも
クリストファー・ノーラン監督の
その発想力に驚きがあったが、
本作程ではなかったと思う。
スパイアクション映画に
"時間の逆行"という視覚的にも奇抜な
設定が付加されて、
全く新しい映像体験をさせてくれる
映画だった。

物語としては
設定に眼を瞑ればシンプルであり、
時間の逆行による世界の崩壊を防ぐ為に
暗躍するCIA工作員を描く内容である。
本作が分からなくなる要素としては、
やはり時間の逆行という設定に、
それぞれの人物関係といった部分だと
思われる。
重要な説明や人物との関係が
足早にテンポ良く語られる為、
序盤から中盤に至るまで集中できないと
置いてきぼりを受ける作品だろう。

しかし、飛行機を激突させての作戦や
カーチェイスといった場面は、
単純にアクション映画として
面白く感じられる部分だった。
そして、時間を挟み撃ちにした作戦
は細かく理解できていないが、
只々凄いと思った。

キャスト陣として印象的だったのは、
主人公に協力するニールを演じた
ロバート・パティンソンだ。
ハリー・ポッターやトワイライトの
好青年な印象が個人的に強かった
だけに、本作の彼は格好良かった。
早く彼のバットマンが観たいと思った。

間違いなく何度か鑑賞して
ようやく理解できる類いの映画であり、
SFとしての難解さは否めない作品だ。
只、それを理解したいと感じさせる
魅力的な作品であり、
特に終盤は完全に理解する事ができたら
最高の面白味を観客に
与えてくれるとさえ思う。
是非、再度映画館に足を運ぼう
と思った。
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