FrankTannock

TENET テネットのFrankTannockのレビュー・感想・評価

TENET テネット(2020年製作の映画)
4.6
構造を楽しむ映画
ダンケルクにおいても感じたことだけれど、クリストファーノーランは作品を追うごとに物語の構造そのものに力点を置くようになった。
言い換えれば、人物設計や人間ドラマも、その「構造」を支える部品となっている。
今回で言えば「時間が逆行した世界」という構造を精巧に作り上げるために、主人公やニールが機能している。極端な話をしてしまえば彼らがどのような人間であるかはそれほど問題ではないのだ。
それぞれが与えられた役目を果たすために生きていて、その宿命に従って命を全うする。そうした機能がそれぞれの人物に与えられている。
だからこそニールは未来から自分の死に向かって逆行し続けた。
逆行世界という構造の中で、自由意志を超え、それぞれの役目を全うする人間の物語だった。
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