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スケアリーストーリーズ 怖い本のkanaco4月末までお休み中のレビュー・感想・評価

3.6
児童文学が原作のジュブナイル・ホラー。その人が〈小さい頃にトラウマだった怖い話〉に見舞われる物語を勝手に綴り現実にしてしまう【怖い本】を手にした学生たちの大奮闘。その本に自分の名前が刻まれたら終わり!奇形で恐ろしく、なのに魅力的で惹きこまれるデザインの〈モンスター〉たちが“華” 😀✨(140文字)

****以下ネタバレあり&乱雑文****

◆あらすじ◆
1968年、ペンシルベニア州。小説家志望の女の子ステラと友人のオーギー、チャックの3人はハロウィンの日に不良のいじめっ子・トミーたちにイタズラを仕掛けて逃走する。途中で出会ったラモンという青年と共に、不良たちから逃げつつ、肝試しも兼ねて幽霊屋敷として有名なベロウズ家のお屋敷に忍び込む。そして屋敷内の隠し部屋で1冊の本を発見する。その本にはいくつかの怖い話が綴られており、気になったステラは本を持ち帰ってしまう。翌日、トミーの不可解な失踪が起きる。さらにステラは本の余白ページに1人で物語が綴られていくことに気がつき…。

❶児童文学を原作にした〈その本に自分の名前が刻まれたら終わり〉というジュブナイル・ホラー

Happy Halloween!!!
ハロウィンなので、ハロウィンの日から始まった怖すぎない(?)ホラー映画を!

アルヴィン・シュワルツが1981年から1991年にかけて発表した児童文学『誰かが墓地からやってくる』と『死んだ男の手首』 シリーズを原作に、ギレルモ・デル・トロが企画、原案、製作、アンドレ・ウーヴレダルが監督を務めたジュブナイル系のホラー。

ハロウィンの日、小説化志望のステラは仲間たちとともに肝試しに行った幽霊屋敷で1冊の本を発見。怖いお話がいくつか書かれているその本に興味を引かれて家に持ち帰ると、おかしな現象が。なんとその本は勝手に誰かを主人公にして〈子供の頃に一番怖がっていた“怖い話”にその人が見舞われてしまうという怖いショートストーリー〉を綴り、それを現実にしてしまうという代物だったのだ。その【怖い本】はひとりでに物語を書く。自分の名前が刻まれたら、終わり。つまりは勝手に綴られるデスノート!…なにそれ困りますね🤔💦

また、主人公の女の子ステラを中心に【怖い本】の作者である〈様々な噂を持つ女とその一族〉の謎を解き明かしてくジュブナイル・アドベンチャー感もあります。家族のことで悩みを持つステラと、ステラの保護者のような幼なじみの2人の少年、ハロウィンの日に出会ったちょっと年上でワイルドな恋相手、いつも迷惑している不良との攻防など、ジュブナイルを一本の筋に展開されていくので、子供たちにも理解しやすいようなサックリさがあって、気軽に見ることができます。私が映画館で見ることができたくらいなので、ファンタジー色も強くホラー度はそこそこです。

❷奇形で恐ろしく魅力的な〈小さい頃に怖かったお話のモンスター〉たちが“華”

怖い本に、仲間たちが一人ずつ〈勝手に主人公としてストーリーが綴られて、それが現実に起き、その人が消える〉というのを繰り替えすため、ホラーパートはいくつかのショートストーリーによって構成されています。各々自分が一番トラウマを持っている〈小さい頃に怖かったお話のモンスター〉に襲われます。

やっぱり奇形で恐ろしく魅力的な〈小さい頃に怖かったお話のモンスター〉たちが“華”かと。私は不気味な笑顔で迫ってくる青白い女「ペールレディ」がお気に入り。ペールレディは長い黒髪と同じく漆黒な瞳、ポッテリとした肉厚のボディをもつ色白の裸の女性。不気味なのに何処か艶めかしくてクセになるご容姿💕彼女は分裂して対象者を余裕の笑みを浮かべたままじっくりと囲い込み、前から後ろからギューっとサンドイッチしてくれます。なんだか体温はヒンヤリしてそう😆✨

その他にも「大きな足指」「かかしのハロルド」「ジャグリーマン」など不気味で恐ろしいのにどこか愛嬌を残したモンスターたちが良い。やっぱハロウィンに見るモンスターには愛嬌がなきゃ!

ちなみに一番イヤなのはクモ🕷ちゃんです。同じ目にあったら失神して私は消えます😑サヨナラ…

❸不満点はいくつかあったなぁ🙁

【怖い本】に綴られた人間が助かるパターンとダメなパターンのジャッジがよく分からないし、ラスボスの挙動も「え?それでいいの?」って思ってしまい、終盤のストーリーは好みではありませんでした。

ホラー演出もジャンプスケアが多すぎて「大きい音出せば良いってもんじゃないよ!」って言いたくなるような安直さ(でもまぁ、学生向けにはアトラクション的でちょうどいいのかな?)。あれって体は反射でビクッとするだけで怖さは全く残らないので、ただただ、腹が立つのですよね~🙄

📖✍🐝「〈小さい頃に怖かったお話のモンスター〉…人によって想像するモンスターが違うでしょうけど、日本人は妖怪やら幽霊やら都市伝説やらJホラーやら子供の頃から〈怖い話〉が身近にありふれていると思うので、【怖い本】も〈勝手に綴ること〉に困らなそうですねぇ。

私は何かなぁ~、小さい頃の一番のトラウマはやっぱTVつけてたまたま見ちゃった『ベティの誕生日』かなぁ。あれ何故だか鮮明に覚えてます🤔怖いって感情は作りモノであろうがなかろうが関係ないですねぇ。人によっては、貞子と伽耶子に前から後ろからギュー💕っとサンドイッチされちゃうのかな🤣🤣🤣」