蛇らい

僕のワンダフル・ジャーニーの蛇らいのレビュー・感想・評価

3.1
犬を飼っている身としては、絶対に嫌いになれないシリーズ。前作でも普通に泣いた。前作は警察犬に転生したシークエンスでベタ泣き。ただ、今回は意外にも残念なポイントが多々あって泣けなかった。

今回はベイリーがイーサンからCJを見守ってほしいという使命を与えられているため、転生から転生を生き急いでしまう。そのため、一回一回の命に少し思い入れがないように思う。前作では警察犬として命を全うしたり、伏し目がちな女性に寄り添ったり、虐待スレスレの扱いを受けたり様々な生き方を体験する。同時にワンちゃんが人間にとってどんなに尊い存在であるのかも再確認できる演出があったのだが、物語重視の展開だ。


※ここから少しネタバレ※


また、イーサンというこのシリーズの最重要人物との別れがあっさり過ぎてそっちの意味で悲しかった。そこで劇的な感動が欲しかったし、イーサンとハンナの人生とベイリーの存在を絡めて、CJのこれからの人生を語ることができたのではないかと思う。

CJを見守るという概念も精神的な方面から支えるという本質的なワンちゃんの力ではなく、金を持ってそうな男から男へとCJを導くという支え方が強引すぎるかなと思った。SSWという夢も引っ張った割にあっさり叶う。旦那のコネか?と疑う。人前で歌う自身がないという理由で前進しないというのはSoundCloudに曲をアップするなどいろんな方法が溢れてる中でライブハウスやバーで歌うことが第一関門だ!的な感覚現代を舞台にしている上では古い。

それでもやはり自分の飼っているワンちゃんをもっと大事にしようとか、時間には限りがあることに憂いたり改めて考えさせられるとてもいい作品だ。

個人的にベイリーがロバのことをウマイヌって呼ぶのめちゃ好き。
蛇らい

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