パラサイト 半地下の家族の4869のネタバレレビュー・内容・結末

2021年最初の映画は、2020年のアカデミー賞作品賞などを受賞したこちらの作品から。

まずなにより衝撃的だったのが、映画では決して伝わることの無い「臭い」がこちらに伝わってきたことです。半地下に住む家族の臭い、消毒の臭い、雨の臭い、汗の臭い、血の匂い、その臭いはどれもとても息苦しく重く画面の向こう側にいる私にも伝わります。それは脚本や演出はもちろん、役者さんの演技力がとても生々しくリアルであるからこその賜物だと思います。
そしてもうひとつ、この作品のテーマである格差社会の問題を「視覚」からも感じとることができます。半地下と地上、ベッドの上と下、ソファーの上と机の下など、はっきりと分断された社会をこのような演出で示すことによって更に視覚から格差社会を感じることができました。

ハリウッドにおいて英語以外はもちろん外国語にあたる訳で視聴者は映画を見る際に必然的に字幕を強いられます。だからこそ字幕映画は敬遠されてきていたのですが、今作アジア系の作品がアカデミー賞を受賞するにあたって、先程述べた臭い(嗅覚)と視覚から映画を構成する演出という2点が、観客により深い満足度をプラスしているように感じました。

かなり序盤から肩がずっと上がりっぱなしだったので、少し肩が凝りました。そのぐらいハラハラとさせてくれる演出に見入ってしまい、新年早々この映画は私に驚きを与えてくれました。