このレビューはネタバレを含みます
" ベイビーブローカー"を観ようと思っているので再度試聴。
この映画を観る時、僕がいつも思い出すのは芥川龍之介の"蜘蛛の糸"です。
不幸な暮らし(半地下)から、脱出する為に僅かに見えた糸(光の当たる地上)に手を伸ばすけれど、欲を出した為に結局は以前よりも不幸な境遇(地下での幽閉暮らし)に陥ってしまう、と言う皮肉を感じずにはいられません。
補足すると半地下と言うのは韓国のソウルで対北朝鮮の侵攻に備えたシェルターで、居住には向かない格安で貸し出すアパートメント形式だそうです。そのため、トイレだけは高い所に設置して下水対策としているそうです。
つまり、"半地下の家族"とは、格差が凄まじい韓国の貧困家庭の象徴なのです。