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パラサイト 半地下の家族のbijouxcoのネタバレレビュー・内容・結末

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

初めて観たポン・ジュノ監督。
評判通り、見応えある作品でした。
強引さのない前半の展開は、テンポが素晴らしく、1人ずつ順に家庭に入り込む展開のところは、鮮やかともいえる手口で小気味良いほど。
どの俳優さんも素晴らしかったんだけど、娘役のパク・ソダムさんは圧巻。釘付けでした。

職を追われた人や、お金持ちファミリーの立場にならなければ、コミカルに楽しめるだろう場面もあり、実際、客席には、時々笑い声を上げる人もいた。ただ、個人的には、勧善懲悪とはいえないやり込め方を素直に受け入れられず、ちょっと複雑な気持ちで受け止めていた。

流れ落ちる雨が、下流に向かうほど濁り黒くなるまでの高低差が表す貧困さ。
その底辺であろう半地下の「臭い」の指摘は、人間性や生理的な否定であり、殺意が生まれるほどの辱めとなったのか。その引き金となったのか。
半地下を抜け出すことができない限り、自分にはどうすることもできないものだから。

2021/1
改めて2回見直し。
さまざま考察されている方のレビューを読んで、どのシーンにも意味があることに気づき、まだ気づかずにいることもあるだろうけど、見応えがあった。
言葉が適切ではないかもしれないけれど、自分より下の階級とは無意識に関わりを拒み、境界線を引く人びと。
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