はっさく

パラサイト 半地下の家族のはっさくのレビュー・感想・評価

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
4.3
めちゃくちゃ面白かった

色々なサイトで映画情報を検索した際、「ミステリー」「ドラマ」「コメディー」とバラバラなジャンル表記であった理由が分かりました。
これはこのジャンルの映画です。と絞るのがとても難しい、でも確かに各ジャンルの面白さがギュッと詰まってた。

韓国映画、そんなに沢山は観ていないのですが、そのせいか韓国語の流れるような、ちょっと可愛らしい話し方(拗音が多いから?)が耳に心地よかった。

序盤のコミカルで洒落の効いた会話には素直に笑わされましたし、役者の演技の軽快さ・掛け合いの面白さにめちゃくちゃ引き込ました。でも、このまま上手く行くわけが無いのは予告編でもポスターでも分かりきっているので、終始ドキドキさせられる。
地下の描写とか、「グエムル」撮ってるホラー監督じゃん…というのを思い出させる恐怖でした。


「パラサイト」という言葉を、地下の家族ではなく半地下の家族に限定して考えた場合。
出自はどうあれ、優秀な人間達が遣えるのは、寄生ではなく共生かな?と思って、2つの違いをググったら,

"寄生といわれるのは、生物Aと生物Bがあって、以下のような関係がある場合である。
Aが、Bが得た、または当然得るはずの栄養摂取源を取得すること。
Aが、Bの体内か体表面、あるいはそれに近い位置にいること。
この関係が一定期間続くこと。
BはAの存在によってはっきりした不利益を被ること。

こういった関係にある場合、AがBに寄生しているといい、BをAの宿主(しゅくしゅ、やどぬし)という。" Wikipedia

とあったので、宿主が「はっきり不利益を被」っているかどうかが肝なのかなと思った。
もし地下の存在が明かされず、ただあの家族が普通に生活しているだけなら、上手くいっていたかもしれない。
一方で、欲がどんどん深くなっていき、金品に手を付けてしまうかもしれない、息子の芸術性の乏しさが明るみに出るかもしれない、娘が貧乏フリーターと駆け落ちしてしまうかもしれない、とも思う。

結局は、互恵関係にあるように見えて、見えない壁に遮られた両家族の関係は寄生なのかもしれない。


ラストの、想いを馳せる主人公の夢はきっと叶わない。そんな虚しさを想起させるエンディングでした。
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