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るろうに剣心 最終章 The Finalのシネラーのレビュー・感想・評価

3.5
原作終盤における"人誅編"
の実写映画化であり、
剣心の十字傷の因縁に関わる雪代縁との
戦いを描いた作品だが、
"京都編"の二部作が個人的に
微妙だっただけに、
上手く纏めた完結編だと思った。

剣心の過去の贖罪をテーマに、
原作でのサイドエピソードや中だるみ
しがちな部分を削って、
良い部分を纏め上げた内容だと思った。
アクションは安定して素晴らしく、
特に終盤における剣心対縁は、
BGM無しでの戦闘がより緊迫感を
際立たせていて良かった。
又、サプライズ的に再登場する人物と
剣心の共闘は、良いファンサービスだった。
(現在連載中の"北海道編"でもやって欲しい)

気になった点としては、
佐之助や蒼紫は特に主要な敵を倒す事
なく役目を終えてしまい、
原作では成長が描かれる弥彦
も活躍せずで残念に思った。
又、剣心の過去が明らかとなった
中盤に関しては、戦いに至る迄が冗長に
感じられた。
更に言えば、
原作にある「剣と心を賭して、この闘いの人生を完遂する!」
という剣心の償いの答に関する葛藤や
答を導き出す部分の描写が弱い為、
単純に復讐される話になっている印象を受けた。

加えて、これは本作への不満という
よりも公開される順番に関してだが、
後に公開される"The Beginning"の事柄
が映像も含めて本作で描写される為、
それならば公開順を普通に
"The Beginning"からの"The Final"で
良いと思えた。

やはり剣心の過去である追憶編を
知った上での人誅編の結末だと思うが、
原作のエピソードを上手く昇華させた上で、
実写として作品に深みを持たせた
良い完結編ではあると感じられた。
"The Beginning"鑑賞後にまた本作を
観たいと思えた。
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