YukiSano

るろうに剣心 最終章 The FinalのYukiSanoのレビュー・感想・評価

3.5
憲法第9条のメタファー『るろうに剣心』シリーズ最終章。かつて人斬りだった罪を背負い、決して自ら戦いに挑まず、いかに大切な人を守れるのか?それは現代の日本に突きつけられた命題とも重なり、闘うことと護ることの矛盾を考察するシリーズ…

と、いう難しい話にも捉えれられるこのシリーズはジャンプ漫画の実写化としては大成功の類いで、世界に誇っても良いスタントチャンバラを披露している。シナリオのご都合主義を忘れるほど、アクションと演技に気合いがみなぎっていて好感を持って応援してきました。

今回は故千葉新一さんの息子である新田真剣佑が悪役を務め、主役を食うほどの輝きを放っていた。前作の志々雄の藤原達也も原作の再現として完璧だったが、真剣佑は原作を超えてきた。

原作では京都篇と比べると人誅篇は少し失速していたが、今回は真剣佑の異様なカリスマ性のおかげで、剣心の業について深く考察されていて見応えがあった。ただ、他のお馴染みキャラの中には良いところを見せられずにシリーズが完結してしまったようにも見え、そこは残念だった。とにかく異様な存在感の真剣佑と、尋常ではない美しさの有村架純のおかげでそろそろ遠山の金さんくらいにワンパターンになりそうだった剣心が再び輝いた。

真剣佑の入れ込んだ芝居はまるで「太陽に吠えろ」の頃の松田優作を彷彿とさせ、拙い部分も見え隠れするが、それが雪代縁としての脆さとも重なり、本当にはまり役。彼にはグラップラー刃牙も演じてもらいたいくらいに少年漫画が似合っている。ハリウッド実写化の聖闘士星矢にも決まり、遂に世界的スターへの道を歩み始めたのかもしれない。日本人でハリウッドの主役を張るなんて二世スターとは言え快挙。このままワンピースもドラゴンボールも真剣佑主役で良いと思う。それくらい彼には期待している。


そして、美しさに艶が出てきた有村架純が爆発しているだろうビギニングが楽しみで仕方ない。物語としては物足りなかった最終章だが本当の完結はあちらなのだろう。

間違いなく日本のアクション映画の代表的シリーズの終わりの始まりを早く見届けたいと思う。
YukiSano

YukiSano