ゲタ

パブリック 図書館の奇跡のゲタのレビュー・感想・評価

パブリック 図書館の奇跡(2018年製作の映画)
4.5
『現代に形を変えた"ダイ・ハード"』

銃も、殺人も、大規模な爆発も
ましてや飛び降りなんてアクションも
主人公が一人ぼっちな訳でも全然ない
(もちろん裸足にもなりません🦶🏻😅)

けど、誤解を恐れずに言うなら
どういうわけか往年の第1作の
ダイ・ハードを彷彿とさせずには
いられませんでした

単に「占拠」がテーマだから?
もちろんそれが大きく影響してるでしょう

でも、今回のいわゆる"人質"は
狂乱のクリスマス・パーティーを楽しむ
庶民なんか手が出せないほど
富をがっぽり手に入れた富豪達ではなく

ただただ記録的な寒波に凍え
一晩の暖を取りたいと願うだけの
弱くも強いホームレスの人々

彼らは画一的な行政の行いに
何も持たぬ身でありながら
公然と抵抗し、ささやかな暖を取るべく
閉館時間を迎えた公共図書館に
立て篭もる…

というのは違うな

寒い夜空に凍えぬよう
持たざる者の当然の権利として
その場にただ"居たい"と願っただけの
"持たざる者"

こうした行動をメディアを筆頭に
悪、不法占拠と決めつけ
権力と暴力によって
見た目だけの解決を強行しようとする
政府側、つまり"持つ者"たち

主人公である図書館員は
どちらかといえば当然
後者のグループに属する側だろうけど

彼の過去も合わせて
次第に持たざる者達の側に
知らず身を置いている自分の姿に気づく

いつしかその無謀とも言える行動は
さまざまな人々の良心を徐々に
硬い氷が溶けるように動かしていきます

その見事な対立構造と
シェルターと呼ばれる貧しい人々の
ための救済施設などの
シンシナティの実情を交えて
物語が進む

主人公のスチュアートの
権力にへつらわないウィットに富んだ
絶妙な物言いがやたらと痛快なのと

往年ファンには嬉しい
かの80's西部劇の快作
「ヤングガン」で一緒だった
エミリオ・エステベスと
クリスチャン・スレーターという
当時のティーンを熱狂させた二人が
相対するキャスティングも
めちゃめちゃ楽しく観れます

ちょっとネタバレになっちゃいますが
「銃なんて触ったこともない!」と
無愛想に応じるセリフなんて
絶対に狙いですよね(^^)

もちろん数ある名作を押し除けて
肩を並べるような大傑作ではないにしろ
これはこれで見応えのある
素晴らしいひとときを過ごせた
2時間でした

彼らは自ら招いたであろうこの危難を
いかにして潜り抜けるのか
あるいは抜けないのか

劇場でご自身の目(レーザー・アイ)で
ご覧になってください
↑観た人だけに分かるネタ👓^_^

それにしても
本来であれば不幸せの象徴とされる
"持たざる者"のみんなが
"持つ者"なんかより
よっぽど幸せそうなのは気のせい?

[11:50]スクリーン①

P.S.
何度もこういうこと書いて恐縮ですが
やはり邦題の副題には本当に問題があると
ひしひしと感じます。

こういう題名にしたら
誰だって話の結末を予想して
逆に興味を失っちゃうと
普通に考えられませんか⁉️

そんな陳腐な"奇跡"なんて
この映画起きませんから‼️

そんなもんジャッキー・チェンの
映画だけで打ち止めにしといてください。

これ、本当に今の世代で変えて行かなきゃ
いけない問題だと思います。

若き映画宣伝業界関係者よ!
Make Some Noise!!✊
ゲタ

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