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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊のRIOのレビュー・感想・評価

3.8
霞がかったようなフランスの空気感、ジャック・タチを彷彿とさせるような建物、絵画のように芸術的な演出、小洒落た会話と言葉回しに、豪華すぎる出演者たちが演じる個性的なキャラクター、彼らのツンとすかしたような表情。期待に違わず、全てがウェス・アンダーソン色に染められた、とってもお洒落な映画でした。

監督が昔から大好きだった雑誌「ニューヨーカー」とその著名記者たちにも想いを馳せた作品ということで、今作を観て感じる「フレンチディスパッチ」の個性的な記者達への愛しさは、雑誌をただの読み物として消費するだけではなく、それを作る人達や背景にまで想いを馳せたことのある監督だからこそ描けた空気感なのかなと感じました。
文字で綴られた雑誌のコラムを映像的に視覚化するという点は斬新なものの、個性的な監督が織りなす最高に贅沢なごっこ遊びのようで、それを行うに創造性の高い雑誌というモチーフはぴったりかも。

また、軽やかなピアノがメインのBGM達がすごく良かった。最近見た映画の中でもトップレベルに印象的。ふとした時に頭に流れるし、サントラもリピしてします。
休日の昼下がりのお供にしたい心地よさ!
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