《楽園の果てには、何がある?》
映画の音楽担当でも知られる音楽家・半野喜弘が監督・脚本で描くノワール・サスペンス作品。
WOWOWにて初鑑賞。
昭和の日本を感じさせる、この台湾の雰囲気いいね…
訳アリの2人・寡黙なシマ(豊川悦司)と雄弁なマキノ(妻夫木聡)、そして2人の前に現れた女神のようなシャオエン。3人のひと時の”楽園〟。
初めてシマとマキノが対峙する食堂のシーンは秀逸!
いきなり目の前に座り、黙々と食事するマキノにシマが言う。
「オマエ、誰だ…⁉︎」
このセリフが少ない長回しのシーンは、豊川悦司と妻夫木聡の2人が創り出す独特の空気感を表現していて、自分が1番好きなシーン。
自然光を生かした映像美は名作”パリ、テキサス〟を彷彿とさせ、センス溢れる音楽が作品の”世界観〟を彩っている。
ストーリー性は薄く、展開は淡々としている。ラストも明解ではなく、観る者に委ねている。
だから万人受けをする作品ではないけど…
台湾という南国を舞台に、豊川悦司と妻夫木聡の個性を生かして表現された監督・半野喜弘の”楽園〟。
映画に1番求めてるのは監督の”世界観〟。そんな自分の感性にハマった秀作です。