しゅんまつもと

見えない目撃者のしゅんまつもとのレビュー・感想・評価

見えない目撃者(2019年製作の映画)
3.5
もっと観客を信じてもいいのに、というのが正直なところではある。序盤のあまりに説明過多な台詞やこれ見よがしに伏線のようなカットを連発するのは勿体ない。松田美由紀をここまで下手に撮れるのも珍しい気もする。それに129分というのはちょっと長すぎる。犯人探しとしてのドラマ性には重きを置いていないだろうし早々に切り上げて密室に話を持ち込めば90分くらいで出来たのでは。
というのも密室での空間作りが超良いのでそこをもっと楽しみたかった。失踪した女子高生の部屋に入るシーンからかなりワクワクする。人物の背後にクローゼットの漆黒が映るだけでゾワゾワする。犬の鳴き声に導かれて容疑者の家の外に出た瞬間の閉鎖空間の怖さにゾクゾクする。そんな魅力が随所に光る。
ラストの「逆ドントブリーズやん!」と思わず言いたくなる展開も外連味たっぷりで良い。きっとラストのあの瞬間でみんな映画っておもしろ!ってなるはず。なのであのアイテムはもっと大事に使ってほしかった。その前に見せてしまうのはあまりに惜しい。