しゅんまつもと

哀れなるものたちのしゅんまつもとのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.4
人が痛みに出会い直し、その痛みと改めて対峙する映画だと思ったし、それが自分がこの映画を好きな部分のすべてだ。それがフェミニズムといえばそうだし、それに限ったことでもない。
『ロブスター』しか観ていない自分が言うのもなんだけど、ヨルゴス・ランティモスの文脈で語るのだとしたら「人を人たらしめるもの」「人と獣の境界』というテーマをラストからは考えてしまう。銃で他者を脅し、ナワバリを作る人間は果たして野生に生きる獣と何が違うのか。それは支配的な男性であるかどうかの前の問いだと思う。