松井の天井直撃ホームラン

初恋の松井の天井直撃ホームランのレビュー・感想・評価

初恋(2020年製作の映画)
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↓のレビューは、以前のアカウントにて鑑賞直後に投稿したレビューになります。

☆☆☆★★

原作?ノベライズ版?(以下、原作で統一します)は読了済み。簡単に。

2000年代に入り、年に3〜4本と売れっ子監督振りを示していた三池崇史だったのだが。流石にここ数年の間の《やっつけ振り》満載な演出には、周りも見兼ねたのか?ここ2年くらいは殆ど映画でのお声掛けはなかった感じでしたね。
一時期は次から次と、作品作りに追われている風だったので。今後はなるべく力は温存しつつも、自分らしさを出すところは全開で出していただきたい。

今回は、得意のバイオレンス満載な三池節がほんの少し戻って来た様でした。
原作は読んでいると、あっちゃこっちゃとアクション場面の連続で。殆ど映画本編は、原作通りの流れで。良く言えば見せ場の連続。悪く言えば〝とりとめがなくダラダラとした話〟…と言える内容で、正直に言ってしまうとあまり面白くない原作でした。

それだけに。このとっ散らかった原作自体を、ある程度の観られる様にしたこの脚本はまずまずだったのではないか?…と思えます。

海外では三池作品自体がある程度の認知を受けているだけに、割と好評だったと聞いてはいますが。案外とこれを日本の映画館で、日本の映画フアンが観た場合、「果たしてそこまで受けるのだろうか?」との疑問は持ちました。
これがもしも純粋なホラー映画であったり、アニメの世界観であったり…と。比較的に異空間世界での話であったならば、まだ分かるのですが。

【ある1夜に起こった暴力世界の中での1つの愛の形】

このかなり異常な状況が、現代の日本の中で起こるのを、普通に考えてなかなか理解し切れないのではないか…と。勿論、単なる映画として楽しんで観るのが1番ではあるんですが。その為にも、もう少し笑える場面があったならとは思います。いや!人によってはゲラゲラと笑える場面が多くあった筈だし。実際問題、製作側も「ここは笑って貰えるだろう!」…と、思いながら創作している雰囲気は随所に観て取れたところは確かにありましたが…。

クライマックスでの、内野VS片腕チャイニーズマフィアの闘いなどは。その瞬間に至るまでの2人のドラマが全く描かれてはいない為に。観ていても、そこまで熱く燃える事もないのは遺憾ともし難いなあ〜と。
原作を読んだ時にも思ったのだけど。せっかくホームセンター内での大バイオレンス場面なのだから、それこそもっと色々な殺し道具を沢山使えなかったのか?と思う事しきり(-_-)

ところで、♬ハイサおじさん♬を使えなかったのは権利関係の問題だったのでしょうか?

2020年3月1日 TOHOシネマズららぽーと船橋/スクリーン10