14才の少女の前に拡がる世界は、まず家族、次に学校の友達、最後に社会の大人たちです。両親の夫婦仲にひと嵐があったり、兄姉自分の３人兄弟は兄中心で男尊女卑社会の縮図です。日ごろかまってもらえないヒロインは、入院に際して父が泣いたり、母が優しかったりすることで喜んでしまうほどです。友達にも裏切られることが多く、心安らぐ場所ではありません。唯一、彼女と向き合ってくれたのが漢文の女先生でした。少女は心を開き信頼度はマックスになりますが… 「相知満天下 知心能幾人」(顔見知りはいても心が通じる人はいるの？)と禅語をさらっと書いてみせる女先生の知性と感性に魅せられました。それにしてもヒロインはこれからが楽しみな美少女でしたね。
