Lilly

はちどりのLillyのレビュー・感想・評価

はちどり(2018年製作の映画)
3.9
中学2年生、多感な年頃ウニから見た日常。

プライバシーのない窮屈な団地暮らし、家父長制の強い家庭環境内で、兄から受ける理不尽な暴力、向き合って欲しい時に何故かうわの空の母親、家では威張りちらすが、その実不倫してる父親。でも、それぞれが抱えてるものに押し潰されそうになりながら、生きている人々なんだね。

親友と思っている友達の裏切りや、ボーイフレンドもご都合主義的態度、教師からは不良レッテルを貼られ、居場所がどこにもない彼女の心の痛みが、よく描けていた。

漢文塾の女教師が、唯一彼女の心の拠り所。この先生も、なんだか幸薄そうな感じで、だからこそ、ウニの気持ちが手に取るように共感できたんだろう。

知ってる人は沢山いても、心の内まで分かり合える人?
私も凄く少ないな。それゆえに共感できる所がある。本音で語りあえる師や、友達の存在を考えてしまう。

韓国の修学旅行で沈没し、多くの高校生が犠牲になったセウォル号を思い出し、途中で、辛くなった。
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