くさむすび

愛欲のセラピーのくさむすびのレビュー・感想・評価

愛欲のセラピー(2019年製作の映画)
2.3
『落下の解剖学』予習。
セラピストと小説家という、ある種他人の人生を俯瞰で見る職業を通じて写していく人間模様と、その体験に重ね合わせて自分自身の人生を見つめ直すストーリーは大変興味深いが、お世辞にも面白いとは思えなかった。回想や情動が唐突だし、描写の上積みが無いから"何を思ってキャラクター達はこの行動をとっているのか"が見えてこない。「私の人生はフィクション。だから書き換え可能」という台詞とか、開き直りのような気がして好きじゃないけど、そう思って生きていくことこそが現代では楽なのかもしれない。
『落下の解剖学』は今作と違ってトリエ監督自ら脚本を書いた上にカンヌでパルムドール、ゴールデングローブ賞で脚本賞を取っているので期待できる。
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