くさむすび

恋するプリテンダーのくさむすびのネタバレレビュー・内容・結末

恋するプリテンダー(2023年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

楽しい映画ではあった。ただどうしても許容できない点が一つ。それがラストのベンが海にわざと飛び込んで、湾岸警備隊のヘリを呼びオペラハウスに急行して、気持ちを吐露し合い結ばれるハッピーエンドで、中々倫理観が終わってて看過できなかった。迷惑系YouTuberや救急車をタクシー代わりに呼ぶ老人と同じでしょう。それでめでたしめでたしされても、困惑しか浮かばない。
それはともかく、往年のラブコメの雰囲気を纏いながら現代的な設定も盛り込まれている点は良かった。ベンはマッチョな男であるのにも関わらず、蜘蛛・高所・泳ぎが苦手という弱さを見せていたし、ベアトリスとキスする時も自分からいけず、恋人のフリをし続けていたのにいざ2人で寝ていることがバレそうになったら逃げ出すと言った臆病さを存分に出しているキャラクターなのが今っぽい。そして未練たらたらなマーガレットに区切りをつけ、(肯定はできないが)タイタニックごっこの反射的なものとは違い、海に飛び込む決心をつけて自ら海に飛び込む成長には思わず笑みがこぼれました。
ビーも中々本心を口に出すことは少ないが、目線や所作で気持ちを語らせているのが意外とスマート。くだらない下品な笑いもあるコメディなんだけど演出が冴えてる。最後の結婚式シーンの交わらない目線は特に良かった。ラストを除けば良作。
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