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天国にちがいないのtottsunのレビュー・感想・評価

天国にちがいない(2019年製作の映画)
3.5
「天国にちがいない」🎬12
映画監督のエリア・スレイマンは故郷ナザレを後にし、新作映画の企画を売り込もうとパリとニューヨークを目指す。彼は最初に訪れたパリで、ルーヴル美術館やノートルダム大聖堂などに魅せられる。次の訪問先のニューヨークでは、友人のガエル・ガルシア・ベルナルに映画会社のプロューサーを紹介されるものの、スレイマンの企画はボツになる。しかし、彼は行く先々で祖国との類似点を発見していた。
ポスターの美しさに魅了されて鑑賞してきました。
多くの方のレビューに書いてある通り、主演であるスレイマン氏はたったの二言しか話さない。
しかもその二言も連続した会話で発せられるので、長きに渡り待っていた彼の言葉も気がつけばあっという間に過ぎ去っていく。
それ以外は彼の笑いも、怒りも、泣きもしない眉毛が上がり下がりするだけの表情である。
映像はどこか絵画のような、文学的でとても美しいし、左右対称のシンメトリーの美しさも感じられる。
朝イチの回を鑑賞したけど、これはお腹が満たされた後では苦痛でしかないかも。時たまサイレンや、飛行機の音など響き渡るけれどそれ以外はなんだか心地よくてうとうとしてしまう。
朝イチの回でもところどころ寝たのか怪しかった自分がいる。
でもDVDでいいのかというとそういうわけではないと思う。この奇妙な心の感覚は映画館だから得られたのかも。家のテレビならそんなこと気が付かずに見過ごしてしまうはず。
こういう作品を見ると何かを感じ取ろうとした方がいいのか、ありのままを受け入れるべきなのか考えてしまう。
そんなことを思ってしまう自分はど凡人だなーと。
不思議な雰囲気から思わずクスッとしたりしたけど、スレイマンの頭の中を彷徨ったら終わってた。
小鳥のシーンとレモンの木のシーンはなんだか微笑ましかった。
私的には☆☆☆.5かな。
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