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燃ゆる女の肖像のTripのレビュー・感想・評価

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)
4.0
とーっても素敵。
昔、レアセドゥの”アデル”を見た時くらいの衝撃。
でも今回は、ラブストーリーというだけの括りでは表せない作品。
立場は違えども、当時の”女性”の扱われ方がよくわかる。
エロイーズは自分の運命を自分では決めることはできないし、画家であるマリアンヌも自分の名前で作品を出すことは出来ない。そんな抑圧された世界で生きる女性達の、ある種解放された、かつ限られた時間の話のようにも見える。

台詞からは読み取ることが出来ない感情が、目線や立ち位置、はたまた風や火や海の波音などの自然界の音で表現されているところが素晴らしいと思った。特に前半は2人の会話は少なく、こういった要素の重層性が際立っているように感じた。

本作はラストがとても印象的。エロイーズは我慢していたのだろうか。振り返ってしまったら、相手は消えてしまうから。思い出にしないために踏ん張っているように見えた。
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